趣味

【書評】暗闇から世界が変わる「ダイアログインザダーク(DID)」

『暗闇から世界が変わる』という本を読んで知ったダイアログインザダーク(暗闇の中での対話)についてまとめていきます。

「ダイアログインザダーク(DID)」暗闇の中の対話とは何か?

「ダイアログ・イン・ザ・ダーク(以下DID)は、
暗闇のソーシャルエンターテインメントです。」

ダイアログ・インザ・ダークとは、ドイツの哲学者アンドレアス・ハイネッケにより発案された暗闇体験イベントです。

1ユニット8人までのチームを結成し、完全な暗闇の中をアテンド者の先導のもと、進んでいくというアトラクションとなります。

チームを先導するアテンドには、普段から視覚に頼らない行動に慣れている視覚障害者が適任で、彼らの雇用を生み出しているという点も新しい点です。

1988年にドイツでスタートし1999年からは日本でも開催され、最近では国内でも毎年開催されている人気イベントとのこと。

DIDは目の見えない可哀想な人たちの状態を疑似体験するものではなく、暗闇の中でこそできるフラットな会話、助け合いの心、視覚以外の感覚の開発などがメインテーマであると著者は言っています。

DIDのやり方

DIDのやり方について1ユニット8人までが1チームとなり、障害者用の杖を使いながら暗闇の中を移動していきます。

ただ平坦な道を歩くだけのものもあれば、コースの途中に階段があったりもするものもあり、その場合はけっこうな集中力を要します。

海外ではコースの中に池があってボートに乗ったりするものもあるそうですね。

著者のイタリアでのDID体験

日本で初めてDIDを開催し、その後も国内DIDの第一人者として活動する著者は、初めてのDID体験の際、途中でユニットとはぐれ、闇の中に取り残されたそうです。

しかも闇雲に動き回ったことでさらに迷う。

なんとかガイドに見つけられ連れ戻されるも、ガイドは暗視ゴーグルなどはつけていない普通の視覚障害者であることを後で知り、その能力の高さに驚愕するとともに、DIDの可能性に魅了されたといいます。

日本でDIDを開催するにあたっての努力

海外でのDIDを体験した著者は、日本国内にDIDを持ち込もうとするも、暗闇を作れる場所探しは苦労したといいます。

特に消防法は厄介で、避難用の緑の表示灯で闇が消されてしまうのがネックだったそうです。

ただ、消防署に何度も通い、何とか説得し、最終的には表示灯がなくても安全ならよいということになります。

このとき著者側の視覚障害者の仲間が「俺たちはもともと目が見えないから表示灯あっても変わらないんだけどね」というのは確かにな、と思いました。

あれこれあった関係の消防士たちは、その後はイベントを理解してくれ、イベントを開催した際には消防署の人も多数参加したといいます。

実際、消防署の人たちが消化をする火事現場も、感電防止のため電気を落とすので暗闇なのだそうですね。なので、日頃から暗闇に親しんでおくことは業務の訓練的にも効果的なんだそうです。

へー。

視覚障害者側の気づき

日本での初開催後、人気イベントとなったDID。実は健常者が暗闇を知るというだけでなく、視覚障害者側からも気づきがあるといいます。

というのもアテンドを担当する視覚障害者からすると、健常者はなんでもできるスーパーマンのように見えるといいます。

そして彼らにとっては暗闇も、光ある世界も同じです。

しかし、DIDのアテンドをすると、健常者の歩く速度が光のあるエリアでは速いのに、暗闇に入ると急に1/10くらいになったりするのもみて、健常者はなんでもできる人ではないと学ぶといいます。

DIDは健常者と視覚障害者の相互理解にも一役買っているとのこと。

 

終わりに。音の聞こえない部屋などに横展開は可能か?

本書を読んで、DIDというのはイベントそのものも面白いが、視覚障害者特有の雇用を生み出しているという点がすごいなと思いました。

また、リーマンショックの当事者のリーマン・ブラザーズが支援者だったためリーマンショックは青天の霹靂だった話や秋葉原の通り魔事件によって不安要素が取り糺された話など運営上のトラブルについても面白かったです。

読んでいて思ったこととしては、このイベントって横展開が可能なのでは?ということ。

例えば、音の聞こえない真空での聴覚障害体験イベントとか、痛みを感じない仮想空間でのイベントとかにも展開できそうだなと思いました。

耳の聞こえない人や目の見えない人が、力を発揮できる場を作り出すという発想は、かなり画期的だと思うので、ぜひ今後も流行って欲しいなと、そう感じました。

ちなみにDIDは東京や大阪では常時開催されているそうなので、興味のある方はどうぞ!

別のシリーズの続編もこの機に探してみませんか?

nicoichi-top「気になるあのシリーズ、知らぬ間に新刊が出ていた・・・!」

「え、この本、単発かと思ったら続編あったの!?」

という機会は本好きには多いかと。

本サイトでは300シリーズの小説のあらすじと読む順番をまとめています。

さらに番外編情報、ドラマ化情報、漫画化情報も知れちゃいます!

この機に他のシリーズ本の読む順番を、確認していってはいかがでしょうか。

>>読む順番を見に行く