【感想】『会社を綴る人』が粗削り面白かった

【感想】『会社を綴る人』が粗削り面白かった

先週目黒の本屋で『会社を綴る人』という小説を購入して、今週かけてこつこつと呼んでいたのですが、これがなかなか面白かったです。

会社を綴る人のストーリー

ストーリーとしては、やや発達障害気味な主人公が、30手前になって正社員になり、仕事ができないながらも何とか正社員としてやっていくというお話となります。

主人公は、文章を見ると他のことが目に入らなくなるという体質で、それにより声を掛けられても聞こえない、ささいなことに気が付かずミスをしてしまうなど、ぶっちゃけかなり生きづらいです。

初めのうちは、主人公が本当にいいとこなしで、むしろ良く首にならないな…というような感じですが、相手を動かす熱意のある文章を覚えてから徐々に展開が変わり、最後には会社全体を動かす文章を作るようになっていきます。

会社を綴る人の魅力

『会社を綴る人』の魅力はその独特の文章力があります。

流れるような文章という感じでもないし、緻密に張り巡らされたミステリーとかそういったわかりやすい感じではないけれども、どことなく味のある文章となっています。

また、主人公の書く文章というのもかなり変わっていて、人を動かす文章ではあるものの、コピーライティングのような華やかでスマートなものではなく、魂をもって相手に伝えるような不器用ながらも伝わりやすい表現であるという点が新しいです。

文書の内容としても、ライターとしての文章というよりは、社内メールや議事録、社内の安全標語作りなど身近なところであるという点も、明日から使える点として読者が共感しやすいポイントとなっています。

ストーリーに関しても大どんでん返しというよりも、しっかり経験値を貯めてラスボスを倒すようなストーリーで、急にアップダウンしたりはせず積み重なっていく感じの構成なので、安心して読み進めることができる点も魅力です。

逆にリアリティという点では、主人公があまりにも即決で英断を下し続けるため、初期の仕事ができないという設定といまいちリンクしないかな、というように感じる点もありました。

そんな感じの細かい点ではいろいろと気になる点はあったものの、全体としては勢いがあって非常に面白い小説で、特に後半の盛り上がりはかなりアツいです。

どんな人にオススメか

文章の持つ力とか、文章で人を動かす力を身に着けたい、という人にオススメです。

本書を読むことで上手い文章は身につかないかもしれないですが、上手くはないけど、なぜか心に刺さって離れない!何かよくわからないけど行動につながる!というような、実を取るような文章を身に着けることが可能かなと思います。

また、これからやや流行りそうな気配はする1冊です。