小さい畜産で稼ぐコツ!アイガモ農法のメリットとデメリットとは

小さい畜産で稼ぐコツ!アイガモ農法のメリットとデメリットとは

1年前に読んだ本を振り返ってみようキャンペーン第1弾。

1冊目は『小さい畜産』という本です。

この本では、ブタ、牛、鳥などをそれぞれ少しずつ飼うという「少頭多畜」の畜産業による起業を解説しています。

この「少頭多畜」の畜産は売り上げこそ1200万円程度と小さいものの、繁忙期以外は割とひまで、かつ利益率もいいのでスローライフを送りたい人にはオススメの方法であると著者は言います。

では、「少頭多畜」の何が良いのか、そして始め方などについて解説していきましょう。

「少頭多畜」の肝はアイガモ農法と解体技術

著者は畜産だけでなく、さらにちょっとした農業も営むことで収益率を高めています。

このとき畜産と農業(稲栽培)をつなぐ肝となるのが、「アイガモ農法」です。

アイガモ農法というのは、その名の通り合鴨を田んぼに放し飼いにして、田んぼの雑草を食べてもらいつつ餌なしでカモを育てることができるという手法。

こう聞くとなんだか夢のようなやり方ですが、実際にはけっこうコツがいるそうです。

アイガモ農法でのカモの育て方のコツ

例えば、アイガモ農法では通常、田植え後すぐにアイガモを田んぼに放すのがよいとされていますが、アイガモは実は寒さに弱く、北のほうの地域だと田植えを6月初めまでぎりぎり遅らせたりのコツがいります。

他にも、田んぼの合鴨を狙ってキツネやイタチ、カラスなどがやってくることもあり、そのための対策として地上系の天敵には電気柵、空からやってくるカラスには黒テグスなどが必要となります。

また、著者の場合、合鴨のヒナを購入してきてそれを田んぼに離していますが、買ってきたヒナはまずプールで慣らしてから田んぼに放すのがコツだといいます。

というのも、買ってきたヒナは、すぐ水につけないと泳げないヒナになってしまいますが、かといっていきなり田んぼに入れると、やっぱりうまく泳げずにおぼれてしまうやつもいるからです。

なので、まずはおぼれても大丈夫なプールで数日間慣らし、その後田んぼデビューさせるといいとのこと。

…泳げないアイガモとかいるんですね。

アイガモの解体は意外に難しい

そしてアイガモ農法で育てた合鴨たちですが、じつはこれを食肉として解体するのが意外と難しいんだそうです。

というのも、アイガモは水鳥なので毛の密度が高く、鶏のように簡単にむしれないからだといいます。

一般の食肉処理場に合鴨をもっていっても、アイガモは加工できません!となることもあるんだそうです。

じゃあ、食べないでずっと放し飼いにしておけばいいんじゃん?

と思うかもですが、これも問題があるそうで、アイガモ農法に適すのはあくまでヒナのアイガモだけで、育ってくると稲を食べたりとか土を掘り返したりとかしてむしろ害鳥になるんだそうです。

◆参考記事:

アイガモ農法の問題点

だからアイガモ農法を成立させるには、何とかヒナのうちにカモたちを田んぼから出していく必要があって、著者は合鴨の食肉処理を誰もやってくれないなら!と、自ら事業化することでこの課題をクリアしています。

自分の農場用に身に着けたアイガモ処理技術が、そのうちに近くの農場にもうわさが広がり、うちのアイガモも処理してくれ!という依頼で流行ったりもしたそうです。

…アイガモ処理って意外と需要があるんですね。

精肉加工まで行い、健康志向にしぼることで利益率を上げる

著者のいう「小頭多畜」の畜産ですが、ただ飼う数を減らしただけでは、正直専業で食っていくのは難しく、売り上げが減った分、利益率を高めていく必要があります。

そのコツとしてアイガモ農法以外でも、精肉加工まで行うというのが重要だと著者はいいます。

例えば、精肉加工まで行うと、豚1頭で15万円、経産牛が1頭100万円にもなり、これは単に肉豚、肉牛として市場に出す場合の約3倍の売り上げ。

ただ、牛、ウマ、ブタ、羊などの家畜は、屠畜場以外での屠殺や解体が禁止されており、専用の設備などが必要なため素人の参入は難しい分野でもあります。

なので、著者のおすすめは専門の業者に屠殺と解体を依頼して、それ以降の肉の小分けやスジ引きなどの加工を自分で行うというやり方。

ここを自前でやるだけでもかなり利益率はよくなるそうですね。

で、この加工した肉を、独自の販売ルートで健康志向の強い人に売っていくことで安定した価格で勝負できるようになります。

著者の場合は、農業はアイガモ農法で無農薬で、畜産も放し飼いでその辺の草とかを食べさせている(自給自足の餌もあげていますが)ので、有機農法(畜産)で健康志向の人のニーズも満たしています。

…健康志向のニーズは市場の価格競争に巻き込まれない点が強いですね。

終わりに

ここまで『小さい畜産で稼ぐ方法』という本で学んだ内容を思い出しながらまとめてきましたがいかがだったでしょうか。

小さく畜産を始める本としてはかなりいい本です。

ゆくゆくは田舎で農業+畜産でもしつつ牧歌的なライフを送りたいと考えている人はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。