雑談

「図書館で読みましたは作者に失礼!」に違和感を感じる理由

本を読むマナーなんてものは、人に迷惑をかけない限り、基本的には存在していないと思ってはいるけれども、世の中には往々にしてマナーとかしきたりとか常識というものがある。

その中でも、一見すると正しそうだけど、個人的にすごく違和感を感じるものが「その本、図書館(あるいは古本)で読みました!」というのが作者に対して失礼であるとするマナーです。

これにめちゃくちゃ違和感を感じています。

なぜそう思うのか、その理由を以下で説明させてください。

そもそもなぜ失礼なのか、の一般論について

まずは、なぜ古本とか図書館で好きな作家の本を読む事、そしてそれを作者に伝えることが失礼にあたるのか、というところを簡単に説明します。

これは、まあ言ってみればお金の話です。

新刊本が売れた場合は、作者は印税を受け取ることができますが、古本や図書館で借りて読まれた場合にはこの印税が入りません。

なので、その作者がすきだといっておきながら、古本で読んだり、図書館で借りて読んだりするのは、作者に貢献していないという点で失礼である!というのがこのマナーの理論です。

作家の収入は原稿料+印税が基本

「その本、図書館(あるいは古本)で読みました!が失礼」という理論は言い換えれば、「古本や図書館で買うと作者はタダ働きになってしまうからちゃんと新刊本を買おう!」というわけです。

こんな感じで聴くと「確かにそのとおりだ!」と思う理論かなと思います。

ただ、よく考えてみると、あれちょっとおかしいのでは?と思う点もいくつかあるので、次にその反論を紹介していきたいと思います。

まず1つ目の反論としては、作者の収入が印税だけではない、という点です。

作者は本を書くときに、仮に1冊も本が売れなくても、ただ働き!とはなりません。

なぜかというと書いた原稿1枚いくらという形で原稿料を受け取ることができるため。

どのくらい貰うのか、というとこれは作者のレベルにもよるみたいですが、

原稿料とは文芸誌や雑誌の連載などに対して支払われる報酬のことで、一般的に原稿用紙一枚(400字)が単位となっています。 1枚あたりでおおむね2000円位から5000円くらいが平均的ですが、作家の実力と人気次第で契約金額は決められます。

とのこと。

対して印税は、新人作家とかだと5%とかのことが多いみたいです。

そこで例えば、4万文字の文庫本が初版5000部600円で売り出され、そのうち2000部が売れた場合だと以下のような収入になります。

原稿料:2,000円×80枚=160,000円

印税:600円×5%×2,000=60,000円

そうなると原稿量がメインで、印税はおまけ!くらいになることも多いのかなと思います。

なので、確かに印税に貢献していないという点で作者に失礼だとしても、作者はタダ働きにはならないです。

作者に入る印税は10%以下って貢献度低くない?

もう一つ、変だなと思うのは、新刊本を買った場合の作者への貢献度の低さです。

例えば文庫本で600円の本を1冊購入して、印税が10%だとしたら、作者に貢献できる金額は60円です。

すごい面白い本だとしても貢献できる額はたったの60円。

この60円を貢献する為に10倍の600円を払えるかどうかで、失礼かどうかが決まると言われると、どうも違和感があります。

だったら古本で200円くらいで買って、作者に差分を直接送りつけたほうが作者のためじゃない?と思います。

あと、例えば図書館で読んで、その感想をSNSにあげたり、ブログに書いたりといった発信をしていくほうが、場合によっては印税分払うより作者のためになっていることもあると考えています

まあ、実際にはこの理論にこそ違和感を感じる人も多いかなと思っていて、「理論はわかったけど、現状のルールではそんなことできるはずがない」とか「新刊本が売れることでつぎの本の出版の話につながるわけだから、60円以上の価値がある」とか色々意見があるかと思います。

でも最近では、Noteなどで出版社を通さずに文章を販売できたり、紙の本で言っても「本を原価の390円で販売し、読んだ後に好きな額を読者が支払うスタイルの本」とか、いろいろと新しい試みがなされています。

いまはまだ新刊本を買うというのが作者に貢献するもっともスタンダードな方法ですが、今後はこの常識も変わっていく可能性は大いにあり得ます。

なので、新刊本を買うだけが作者に貢献する方法ではないです。

結局何が言いたいかというと、出版業界進化せよ!と言いたい

ここまで、「図書館や古本で読むことは作家に失礼か」という命題に対して、

・作家の収入は印税だけではない点

・広告代理という形で古本でも貢献できる点

・そもそも新刊本を買っても作者への貢献度の利率が悪い点

の3点を挙げて、その限りではないという説を展開してきました。

じゃあ結局のところ何が言いたいのか、というと、より作家へ有利な条件を作れるように出版業界と読者が意識を変化する時なのではないか、ということを言いたかったです。

個人的には、大々的な広告で面白そうに装飾された本よりも、地味だけど読んだ後に気づきがある深い本とか、魂のこもった本がより高い評価を得られるシステムがいいなと思っています。

具体的には、実力のある作家が敢えて出版社を通さずに自分の力で電子書籍を出したり自費出版することを認めたり(副業)とか、

読む前に値段を払うのではなく、読んだ後に代金を払う後付け方式の販売とか、

そういうのをやっていくと、出版業界全体が盛り上がっていくのではないかなと思っています。

※出版社はもしかすると初めは利益が落ちるかもですが、時代に合わせて作者を支援できるあらたな形を見つけていくことでまた復活できると思っています。

この理論に賛同の方、反対の方いろいろいるかとおもいますが、本記事を議論のネタにして出版業界に火種を起こせればいいなと思って書きました。

思うところがある方は、コメントいただけると幸いです。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

良い読書ライフを!

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