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本レビュー『なめらかな世界と、その敵』を購入した2つの理由

namerakanasekai

『なめらかな世界と、その敵』の本レビューをして行きます。

なにこの世界観!?と驚きを受けた作品でした。

動画版も作りました。10分くらいです。よければこちらもどうぞ!

『なめらかな世界と、その敵』を購入した2つの理由

namerakanasekai

まずは『なめらかな世界と、その敵』の概要を紹介します。

この作品は、伴名 練さんによるSF小説です。話の繋がらない(独立な)中編が6つ入っている構成となっています。

【収録作】
なめらかな世界と、その敵★
ゼロ年代の臨界点
美亜羽へ贈る拳銃★
ホーリーアイアンメイデン
シンギュラリティ・ソヴィエト
ひかりより速く、ゆるやかに★

※★は本記事で紹介

で、実は自分は伴名 練さんについては著作を読んだことがなかったんですが、本書については発売してすぐに購入を決めました。

その理由は以下の2つ。

・印税全額寄付の理念に賛同したから

・三体以来の「みんな読んでいる感」と噂で聞いたから

それぞれ簡単に解説します。

 

印税全額寄付の理念に賛同したから

本書では作者である伴名 練さんからの発表で、本書の印税を全額京アニの寄付に回すと宣言されています。

なのである種、チャリティー的なニュアンスで、寄付をしたら副賞で本がついてきた!みたいなニュアンスで購入可能。

この理由づけは「今月本買いすぎたかも・・・」を超えますね。

みんな読んでいる感があった

で、もう一つは「みんな読んでいる感」があったため。

読書家たちはどこからともなく名作を見つけてきて、気がつくとなぜかみんな読んでいるという傾向があります。

最近だと中国のミステリー小説「三体」とかがそんな感じで、「おー、三体読んだ?」みたいにナチュラルに聞かれるので読んでないと「なに!?」となります。

で、その三体以来で「みんな読んでいる感」があるのが、この「なめらかな世界と、その敵」だというのです。

それは読まねば!となりました。

『なめらかな世界と、その敵』の表題作を読んだ感想

で、実際に読んでみた感想です。

まずは、表題作「なめらかな世界と、その敵」について紹介して行きます。

 

表題作「なめらかな世界と、その敵」のあらすじとしては、意識を別の世界線に自由に移動できる能力が一般的となった世界で、普通にその能力を使える高校生と、事故によりその能力を失ってしまった高校生の間の友情物語です。

この自由に意識を行き来できるという設定がすごくて、しかもそれが世界観の中でスムーズに馴染んで描かれているのがさらにすごいです。

意識を別に飛ばせるので、不老不死も可能だし、怒られたりの嫌な時間は別の意識に飛べばいい!というストレスレスな世界となっています。

いいなーこの世界!と純粋に設定に感動しました。

で、その世界観の中での失ったものの葛藤とかも考えさせられます。詳しくはぜひ本書を読んでみてください。

他の収録作も読んでみたのであらすじとかまとめた

そのほかの話もコツコツと読み進めたので、面白かったものについてあらすじを紹介していきます。

ちなみに収録作は以下の通り

【収録作】
なめらかな世界と、その敵★
ゼロ年代の臨界点
美亜羽へ贈る拳銃★
ホーリーアイアンメイデン
シンギュラリティ・ソヴィエト
ひかりより速く、ゆるやかに★

中でも個人的に特に気合入ってるなーと思ったのが★をつけた3つです。

なので、この2つ(滑らかな世界とその敵はさっき紹介したのでスルー)を紹介していきます。

結婚は脳インプラントとともに「美亜羽へ贈る拳銃」

まずは「美亜羽へ贈る拳銃」というお話。

この物語では、脳に直接相手への愛情を埋め込むインプラント治療が一般的になった世界が描かれます。

これにより、浮気は物理的にできなくなり、文字通り永遠の愛を誓うことになる、というもの。

非常に画期的なアイデアではありますが、それ故にインプラントを危険視する勢力もいます。

大きな勢力図としては、「神冴脳工学医療」とそれに敵対する「東亜脳外」の2つがあり、それらが脳医学の権威をめぐって争っています。

その戦いはエスカレートし、「神冴脳工学医療」による攻撃を受けて両親を失った「東亜脳外」の少女・美亜羽が、その才能を見込んだ実継により、「神冴脳工学医療」へとスカウトされます。

しかし、顔合わせで「神冴脳工学医療」への憎しみを消すインプラントを受けよとの勧告を受けた美亜羽は、拳銃型のインプラントにより、自らの才能を殺す行為に出て・・・

というストーリー。

美亜羽の打ったインプラントは「神冴脳工学医療」への憎しみを消すだけでなく、実継への愛情に変換するものであり彼女らの微妙な関係が始まります。

で、このストーリーにおいてすごいと思ったのが、設定がまずすごいのはもとより、それをうまく生かしてストーリーとしても完成されている点!

自分を愛する思いがインプラントによる偽物だと悩む実継の葛藤とか、美亜羽が拳銃でインプラントを打った本当の理由のミステリ―とか設定だけでなく、ストーリーも色々と楽しめます。

減速した新幹線「ひかりより速く、ゆるやかに」

続いては本巻の一番最後に収録されている「ひかりより速く、ゆるやかに」という作品。

こちらでは修学旅行に出たとある高校生の乗った新幹線が、トンネルの真ん中で時間停止し、現実世界から動かなくなってしまうという事件が発生します。

偶然にも修学旅行を休んでいた2人の高校生が主人公で、彼らは自分たちのほかに同級生のいない卒業式を行うことに・・・

で、この事件を調査すると、新幹線の中は完全に時間が止まっているのではなく、すごいゆっくりしたスピードで動いているのだということがわかる。

遺族の会や主人公たちが、時間が減速した原因を探り、時間停止した新幹線とその乗組員を取り戻すべく色々と策を仕掛けていきます。

このストーリーですごいのは、本格派のミステリ―である点。時間が減速した理由についてはSFではありますが、論理的に仮説が立てられるものになっています。

あとは、青春的な面白さもあったりもして読みごたえがあり!

終わりに。

ここまで『滑らかな世界と、その敵』について紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。

ちょっと本格的なSFを長すぎない感じで読みたいという人に本書はオススメです。

また全額印税寄付なので、京アニ火災に募金したい人とかで、かつ本も読みたいからどうすればいいんだ!という人は本書を買うと一石二鳥が狙えます。

ぜひ読んでみてください。自分はこのまま読み進めて行きます。

 

ではまた。良い読書ライフを!

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