空飛ぶ哺乳類!コウモリ本のオススメまとめ

空飛ぶ哺乳類!コウモリ本のオススメまとめ

コウモリと聞くとどんなイメージがありますか。

夜行性、吸血する、鳥と獣の中間でどっちつかず、みたいなイメージが強いのかな、と思います。

実際のコウモリは夜行性ではありますが、吸血する種はほとんどいません。
顔もサルみたいな顔をしたコウモリから、ねずみに羽根が生えたようなやつ、あるいはウサギみたいな耳をもつものなど、結構バラエティーに富んでいます。

それもそのはず、なんと、コウモリは全哺乳類の種のうち20%を占める超種類の多い種族だからです。
(ちなみに第一位はげっ歯目(ねずみ)で40%を占める)

そんなコウモリを知るためのオススメ本を紹介していきます。

オススメ第一位はコウモリ総合本『ボクが逆さに生きる理由』

コウモリのネガティブなイメージを逆さまにするために書いたという本。

面白いし読みやすいです。
コウモリの生態や、それぞれの種類についてかなり詳しくなれます。


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本書では、コウモリが虫を食べるもの、木の実を食べるもの、肉食のモノ(吸血するものも含む)、の大きく3種類のグループに分かれることや、それぞれのコウモリの特徴の違いなどを知ることができます。

食虫70%、残りは草食と肉食そして吸血。魚だけを食べるコウモリがいたり、コウモリを食べるコウモリもいるそうですね。ちなみに、あるコウモリが別種のコウモリを食べた場合は共食いとは言わないそうです。へー。

サイズについてもコウモリはピンきりで、大きいものは2m、小さいやつは15cmほど。世界最大のインドオオコウモリは、翼開長がちょうど人が両手を広げたくらいのサイズになります。

他にも、コウモリはクーパーと呼ばれる特有の休眠機構を持っていて、雪の中で休眠するコウモリなど世界のコウモリを知ることができます。

あと本書では、コウモリの虫の捕まえ方の絵が載っていますが、これが可愛い。
この絵だけでも一見の価値あり。

では、以下に本書で学んだ内容をいくつかピックアップして紹介します。

コウモリの経済効果

トウモロコシの収穫に年間10億ドルの効果があるとされている。なぜかというと農作物につく害虫を食べてくれるのでコウモリがいると嬉しいから。

コウモリは大食漢で、インディアナにすむ150匹のコウモリのコロニーだけで、年間130万匹の虫を食べるそうです。

吸血コウモリは3/1300種のみ

コウモリは哺乳類の種類の20%を占め、1300種以上いますが、そのうち吸血するのはわずか3種のみ。一部のコウモリにより、コウモリ全体のイメージが悪くなっていると著者は言います。

とはいえ。吸血コウモリというのはやはり夢があるというか、気になります。

本書では、吸血コウモリの食事の仕方について述べられていますが、これが面白い。

吸血コウモリであるチスイコウモリは、まずターゲットの近くに着地し、様子を見ながら地上ルートで近づく。このとき4足歩行でホップしながら獲物に近づく。そして、皮膚が薄く血管が狙いやすい箇所を熱センサーで見定め、麻酔効果のある唾液で舐める。麻酔が効いてきたら歯で皮膚に傷をつけ、流れてきた血液をなめとる。チスイコウモリは、自分の体重の半分から同じくらいまで血を吸う。そして、食事をしながら尿をして余分な水分は排泄し、飛べるようにする。チスイコウモリは小さいので家畜などは吸われても影響なし。一回の食事でスプーン1杯分くらい。

ちなみに、血は消化が早いので、60時間ほどの絶食で餓死するそうです。

そのためか、チスイコウモリは血縁関係のない個体間でも腹一杯の個体が、腹を空かせた個体に血を吐き出して分け与えることもあるそうです。

これ、実は過去に血をわけてもらった個体にのみあげるみたいで、それを記憶しているというから結構記憶力がよいみたい。分け与えた方が、いずれ分け与えてもらえるので有利になるという貯食戦略らしいです。

コウモリの起源は謎

樹上で生活する種が枝を飛び回るうちにやがて飛べるようになったと考えられているが、詳しいことはわかっていない。学術的にもコウモリの分類もコロコロ変わっているそうです。

この点については『コウモリの謎』という本に詳しく書かれていたので後述します。

なぜ逆さまなのか?

コウモリがさかさまなのは飛び立つときに有利だから。重力を使えば足で地面や枝を蹴る必要がない。

頭に血が登らない理由は謎。一般に言われているのは体が小さいため逆さまでも頭と足の高低差が少なく血流への影響が少ない説と、頭部に静脈が多いから血流安定説がある。あるいはキリン同様、翼の部分の網目状の血管が影響している説もある。

ほかにさかさまな種としてはクモも逆さまですが、これは縦方向に素早く移動するためだといわれています。

また、飛行できる方がお得という話が本書の中であってこれがすごく納得できました。

リスは一度木から降りて地上を移動して、また木に登る。一方、コウモリやモモンガは降りずに移動できるのでお得。

…こう聞くと、リスってすごい無駄な動きしてる感じするなと思いました。

コウモリは最短ルートを選んで飛ぶ

コウモリは意外と速い。
基本的には鳥のほうが早いが、コウモリでも時速75kmなどの記録あり。夜にそのスピード出せるのはすごいですね。

ちなみにコウモリは飛び方がスマートで、虫を追いかけているときなどは、ある獲物を追い詰めながら、次の獲物を狙うのに最適なルートを選択するそうです。

一晩でけっこうな数を食べないといけないので、無駄を省いているそうです。
頭いい!

夜の世界は音でアピール

コウモリというと超音波、というイメージですが、ガの中にも超音波使いがいます。
コウモリの超音波を察知して逃げるやつや、毒のあるガで、警戒色ならぬ警戒超音波を出して毒をアピールする種もいるそうです。

ちなみに、毒がないのに毒があるガと同じい音波を出して難を逃れようとするちゃっかりものもいるそうですね。

トーパーを使えば雪の中でも過ごせる

周りの気温より1〜2度高い体温にする技。それがトーパー。コウモリ特有の休眠機構でトーパー中は、酸素消費は普段の1/100になるそうです。

コウモリは長寿

同サイズの哺乳類より3〜10倍長生き。「ゾウの時間、ネズミの時間」で一生を生き抜いた感覚は同じとされた。41歳以上の例もある。

コウモリと病原体

マーズ、サーズ、などがコウモリ由来で家畜に伝染する。コウモリは中間宿主となるので、野生のコウモリには素手で触らないように気を付けよう。

オススメ第2位はコウモリの歴史や進化に詳しい本『コウモリの謎』

コウモリの歴史と、超音波について詳しいです。
そういえば、コウモリって太陽の光に弱い、というイメージがありますが、実際は特に弱くないそうです。
ただ、弱くはないが天敵が多いので昼間は飛ばないそうです。体の大きいオオコウモリは昼間飛ぶこともあるそうです。

では、本書『コウモリの謎』より、コウモリの歴史の話と、超音波の大小の話を紹介します。


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コウモリ(蝙蝠)の漢字の歴史

コウモリは漢字で書くと蝙蝠(こうもり)となり虫偏(むしへん)ですが、これは古代中国でよくわからない生き物は全て虫に分類されていたことから来ているそうです。

具体的には、獣は獣編、魚は魚編、鳥は鳥の記号をつけてそれ以外の生き物、ヘビ(蛇)やカエル(蛙)なども虫偏がつく。その流れでコウモリも虫偏になったそうです。

ちなみに日本の江戸時代は、鳥または虫と考えられていたそうで、鳥の本や、虫の絵などにコウモリが描かれていたそうです。

コウモリの起源

コウモリの起源としては、コウモリモグラ説とコウモリサル説があった。
この挿絵がついていますが、これがかなりわかりやすい。

モグラが餌となる虫を求めて木に登りコウモリとなったか、あるいはサルが滑空するようになりコウモリとなったかという話です。

最近ではDNS鑑定でコウモリの祖先っぽい生物とかも出てきているみたいです。

ちなみに、コウモリは鳥とは構造が大きく異なり、コウモリの羽根は、大きなうちわ2枚あるような感じで、鳥は小さなうちわをたくさんつなぎ合わせた羽根と本書では示されていました。

超音波の大小

コウモリの用いる超音波の周波数は種によって異なり、周波数の高さにより、得られる効果が違います。

高い声のコウモリは、細かい虫まで分かるが遠くまで超音波は届かない。低い音のコウモリは細かい対象はわからないが遠くまで届く。

なので低い声のコウモリは、込み入った場所は避け、例えば森林地域では森林の上の開けた場所で獲物を捕らえる。

また、獲物を捕らえるために超音波を打つものもいれば、獲物は目や嗅覚で見て、障害物回避のためにパルスを打つ種もいる。一般に大きいコウモリは視力が高く、小さいコウモリは超音波だよりの傾向があるそうです。

コウモリは基本的に口を開けながら飛ぶが、鼻から超音波を出すタイプは閉じて飛ぶ。

また、果実を食べるタイプのコウモリに花粉を媒介してもらうタイプの植物もいて、コウモリに食べて欲しい植物は、夜に開花したり、夜でもわかりやすい白い色の花をつけたり、エコーロケーションを反射しやすい凸レンズ型の旗弁をつけたりするそうです。

超音波の日常での使い方

ヤマコウモリの20kHzは人間がギリギリ聞こえるレベル。

なのでこれを携帯の着信音にすると、授業中に携帯がなっても、生徒だけが気が付き先生は気づかないというような使い方もできる。(大人ほど高周波は聞こえづらい。)

…この発想はなかった(笑)

ちなみに、コウモリを探すときには、バットディテクターという超音波を検知するアイテムがあるそうです。
ただ、コウモリの種類までは、ある程度しかわからないらしい。

調べてみたらAmazonで6万円くらいでした。うん、まあせやな。そりゃあマイナーアイテムだし高いのは当然か。


バットディテクター(超音波検知器)D230 コウモリ等の超音波を検知します。

第3位かなりマニアックなコウモリ研究の本『コウモリのふしぎ』

コウモリに関するデータがグラフにされて掲載されている硬派なコウモリ本です。


Amazon:コウモリのふしぎ (知りたい!サイエンス)

楽天:【中古】 コウモリのふしぎ 逆さまなのにもワケがある 知りたい!サイエンス/船越公威,福井大,河合久仁子,吉行瑞子【著】

コウモリの代謝が同じ体重のほかの生物と比べて効率的かどうか、とか、コウモリごとの超音波のパルスのデータや、森の中でどの種がどのエリアをカバーするか、とかそういうマニアックな話が多いです。

コウモリはモグラみたいなやつと、サルみたいなやつがいますが、各動物に似たコウモリの種類がまとめられていたりもします。他の本でコウモリの基礎を学んだ後に読むとかなり楽しめる1冊です。

以下に、本書の内容をいくつかピックアップしました。

海外のコウモリ事情

海外ではコウモリが家に住みついた場合、屋根裏などをフンや尿で汚されるのは困るが、ガを食べてくれるという効果もあるため、専用のバットボックスを作ってそちらに引っ越してもらうこともあるそうです。

また、森の中で手を叩いてオオコウモリを飛ばして、チップをもらう仕事の人もいたりして、コウモリはより一般的な生きものです。

また、中南米ではコウモリはよいイメージで信仰の対象。中国でも縁起が良いものとして食器などにコウモリが描かれたりするそうです。

コウモリの代謝

本書のデータによると、ネズミよりは代謝効率が悪く、鳥よりはややよい代謝だという。鳥より小さいのは、トーパーによる効果と思われている。

様々な顔のコウモリ

コウモリはうまっぽい顔とか、うさぎみたいなやつとか、ブタみたいな耳とか色々いる。
コウモリは基本的に毛がもふもふだそうです。

ちょっと触ってみたい。

まとめ

コウモリが哺乳類第2位の種類というのは驚きました。
トーパーで休眠したり、哺乳類で唯一自力で飛べたりと、コウモリかなりすごいんじゃないかと思いました。

コウモリはよく食べるので飼おうとするとエサ代がかなりかかるみたいですね。
コウモリ好きの人はご注意ください。


コウモリ識別ハンドブック 改訂版