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『起業の科学入門』リーンキャンバスで失敗しないスタートアップ

『起業の科学』という本を読みました。かなり面白かったです。

起業はどこか博打!みたいなイメージがありましたが、本書のやり方でしっかりビジネスモデルを落とし込めば、まあ体感的に80%くらいはうまく行きそうだなと思いました。

今日はそんな『起業の科学』の内容や学びをシェアしていきます。

『起業の科学入門』の内容

本書『起業の科学』では、まず前提として「成功はアート、失敗を避けるのはサイエンス」というスタンスです。

アマゾンやフェイスブックのようなスタートアップを作ることは科学では不可。

でも、この本の内容を正しく身につければ、起業で身を滅ぼすことはなくなるだろう。

というのが本書の趣旨。

前著『起業の科学 スタートアップサイエンス』をより具体的に落とし込んだものとなっています。

 

プロダクトマーケットフィットを達成できるかがカギ

で、本書の主題としては、「PMFの達成こそ成功と失敗を分ける最大のハードル」として、このPMFを

ちなみにPMFとは、プロダクトマーケットフィットの略で、「顧客が欲しがる商品を作れる状態にあるかどうか」を指します。

世の中の企業には、何が必要か、でなく自分たちの持つ技術で何ができるかで商品を作っている会社が非常に多いと著者は言います。

しかし、まずは需要を満たしていく必要があり、課題からスタートすべきです。

著者は「課題の質と解決策の質がともに高いのが良い製品」であるともいっており、課題の質か解決策の質かどちらを先に求めるべきか、というと課題の質を先に上げる必要があります。

スモールビジネスとスタートアップの違い

本書では、起業のスタイルとしてスモールビジネスとスタートアップを区別しています。

この違いは、すでにある市場で戦うのがスモールビジネス、全く新しい市場を構築するのがスタートアップです。

スタートアップは参入コストと需要がマッチするタイミングを見極める必要がありますが、スモールビジネスはいつでも大丈夫です。

成長の仕方も違って、スモールビジネスは等加速度で順当に伸びていきますが、スタートアップはJカーブで市場ができるまでは沈み込み、市場ができたら一気に成長します。

スタートアップの商品は、誰の課題であるべきか?社長です。

では、「課題の質」という分野から始めるとして、スタートアップはどんな課題を解決すべきか、というと、これは創業者自身の深い悩みがスタートであるべきとのこと。

社長自身の悩みが最高で、次いでターゲットユーザーについて深く理解している分野の悩みがよいです。

これはなぜかというと、スタートアップの強豪優位性は熱意とビジョンであるため。

自分ごとの課題でないとこの優位性は得られず、大企業に負けてしまいます。

また、例えビジネスモデルがよくても、「なぜあなたがそれをするのか?」の問いに答えられなければ、投資家や従業員の心を動かすことはできません。

アイデアは良すぎると競合する

また、本書では、スタートアップの商品のアイデアとして、解決策は八方美人過ぎてはよくないといいます。

例えば、100人中100人が良いというアイデアはスタートアップ向きではないとのこと。

なぜかというと、たとえその商品がいまはネット検索してもでてこない(競合がいない)としても、誰もがいいと思うようなアイデア商品は、あっという間に市場が混み合います。

水面下で開発を進めている人が他にもいるはずですし、後手で始めた大企業に幅寄せされればひとたまりもありません。

一方で、逆に大企業では誰が聞いても良いアイデアしか選べないという弱点もあります。

なので、大企業が参入できないような100人中10人だけが良いというような商品を作っていくのがコツです。

いい例とわるい例としては、以下のような感じ。

◆悪い例:長持ちするスマホバッテリーは良すぎてよくない。

◆良い例:DFreeの排泄タイミングデバイス。創業者がアメリカでおもらしをしてしまった原体験から、超音波で排尿のタイミング検知し教えてくれるデバイスを作成。

ふつう自分で察知できる、誰が使うねん?と思うくらいがちょうど良いとのこと。

そして、スタートアップが狙うべき領域としては、以下のような分野がオススメだそうです。

・長年規制で守られてきた産業の規制緩和
・リーマンショックなどの社会問題で需要拡大が予測される領域
・アマゾン、グーグルなどのテックジャイアンツの向かう先

これらは一気に市場が伸びる可能性があります。

スタートアップにおいて生産性を下げる「嘘の仕事」

スタートアップにおいては、一般の大企業では必要となる一部の仕事は不要であり、それをすることは生産性を下げる原因となる。これを本書では「嘘の仕事」と呼び、避けるべきものとして扱っています。

例えば、責任の所在をハッキリさせることとか、継続的改善にこだわること、競合を意識しすぎることなどはスタートアップにおいては嘘の仕事となる。

また、スタートアップに秘密保持契約(NDA)は必要ないとも言っています。

これは、投資家同士の口コミが起こらなくなるから。投資家同士の横のつながりは結構強くて、「さいきんイケてるスタートアップにあってこんな話を聞いたんだけど、お前のところどう?」みたいな紹介はけっこうあるそうです。

なので、これを消してしまうNDAはもったいない!とのことです。

また、アイデア自体に大した価値はないので、躍起になって守ってもしょうがない!

…これも確かにな!と思いました。

エレベーターピッチに落とし込む

本書では、中盤以降でリーンキャンバスというモデルを使って、対象とする顧客増や、解決策としての商品像を明確にしていきます。

ここはけっこう骨が折れそうですが、しっかりやれば確かにうまくいきそうだなと思いました。

まだ完全には理解できていないのでいったん飛ばします。

で、このリーンキャンバスでユーザーの特性を落とし込んだら、最後はエレベーターピッチに落とし込みます。

このエレベーターピッチでの事業説明というのが非常に面白かったので簡単に紹介します。

「何を作っていて、なぜ作っているのか?」

まずは、その答えが簡潔に1分以内に収まり、かつ明確なら評価は高いといいます。

そして「どんな課題をどんな手段で解決するのか。他のサービスと何が違うのか、についても30秒ほどでかけるとなおいい」とのこと。

…確かに自分が何をしていて、なぜ自分なのか、が明確なら「こいつは伸びそうだと感じるな!」と思いました。

終わりに

自分でビジネスを起こそうと思っている人は、本書を読むとその失敗率がかなり下がると思います。

一見タイトルはかんたんな入門書のような感じですが、内容は意外と深い1冊です。

ゆくゆくは起業する可能性がある!という人や、商品開発やマーケティング本部にいるという人は、ぜひ読んでみてください。

きっとためになるはずです。

 

ではまた。よい読書ライフを!