宮本輝『流転の海シリーズ』読む順番と各巻のあらすじまとめ

宮本輝『流転の海シリーズ』読む順番と各巻のあらすじまとめ

宮本輝のライフワークともいわれる超長編小説「流転の海」シリーズ。

1982年から連載を開始し、つい先日の2018年10月に完結したこのシリーズの読む順番と各巻のあらすじを紹介していきます。

宮本輝の流転の海シリーズとは

まずは、流転の海シリーズとは何かという話から始めていきます。

流転の海シリーズとは、表題作『流転の海』から始まる一連の小説シリーズで、著者自身の父をモデルとした主人公・松坂熊吾の半生を描いた内容となっております。

もう少し踏み込むと、ワンマンな実業家である松坂熊吾と、彼に翻弄される妻と子という家族模様が中心です。

このシリーズがすごいのは、なんといってもその連載期間の長さ!

1982年に雑誌「海燕」で連載をスタートし、2018年にシリーズ完結となるまでに、なんと35年間も連載してきたという超大作です。

著者自身も半生を費やして完成させた作品ということで、これは確かに宮本輝のライフワークといっても過言ではないですね。

完結を記念した『流転の海 愛蔵版 全9冊セット』も限定発売されています。

 

宮本輝の流転の海シリーズの読む順番

宮本輝の流転の海シリーズですが、全9巻です。

読む順番は以下の通り。

1.「流転の海」

2.「地の星 流転の海 第二部」

3.「血脈の火 流転の海 第三部」

4.「天の夜曲 流転の海 第四部」

5.「花の回廊 流転の海 第五部」

6.「慈雨の音 流転の海 第六部」

7.「満月の道 流転の海 第七部」

8.「長流の畔 流転の海 第八部」

9.「野の花 流転の海 第九部」

だいたい4~5年に1冊ずつ出版されて、9巻目でついに完結!となっています。

ちなみに第1巻については1990年には映画化もされています。

 

宮本輝の流転の海シリーズ各巻のあらすじ

それではここからは、流転の海シリーズ各巻のあらすじを間単に紹介していきます。

1.「流転の海」のあらすじ

シリーズ第1巻となる「流転の海」は、終戦から2年後の1947年にスタートします。

主人公の松坂熊吾は戦争で失われた自身の会社・松阪商会を大阪の闇市で復活させようと奔走。

そんな折、妻の房江の妊娠が発覚。子宝に恵まれた熊悟は「この子が20歳になるまでは絶対に死なん」と意気込むも、熊悟の周りではさまざまなトラブルが絶えず・・・

というストーリーです。

このとき父の熊悟はすでに50歳!半ばあきらめていた子ができて奮闘します。

 

2.「地の星 流転の海 第二部」のあらすじ

シリーズ第2巻となる「地の星」では、病弱な妻子のために事業をあきらめ四国の故郷に帰ります。

しかし、トラブルメーカーな熊悟の周りでは、田舎暮らしでも穏やかなはずもなく・・・

というストーリーになります。

幼馴染で熊悟に恨みを持つ地元やくざとかが出てきます。

この巻での息子の信仁(著者)は1~4歳くらいです。

 

3.「血脈の火 流転の海 第三部」のあらすじ

シリーズ第3巻となる「血脈の火」では、大阪に戻ってきた松坂家のお話です。

持ち前の才覚で雀荘や料理店など次々と事業拡大していく熊悟。

順調に見えた生活ですが、私生活の面では義母の失踪や、熊悟自身も糖尿病を受け・・・

というストーリーです。

この巻での時系列は昭和20年代から30年くらい、息子の信仁(著者)は小学生となります。

 

4.「天の夜曲 流転の海 第四部」のあらすじ

シリーズ第4巻となる「天の夜曲」は、富山編です。

食中毒事件の冤罪により大阪での事業をたたまざるを得なくなった熊悟らは、事業の再スタートを図るため富山に引っ越します。

しかし、富山の新規事業での共同経営者は頼りなく、業を煮やした熊悟は単身大阪に舞い戻るが・・・

というストーリーです。

 

5.「花の回廊 流転の海 第五部」のあらすじ

シリーズの折り返し地点、第5巻となる「花の回廊」では、前巻でまたも事業に失敗した熊悟は妻の房江とともに大阪に残ります。

この生活は悲惨で、電気のないビルでシャワーも外の水道水というような状況。

そんな状況でも熊悟は三たび事業の再起を賭けて駐車場ビジネスに手を出していきます。

一方で小学生高学年となった信仁はさすがに大阪での生活は厳しすぎるため、叔母のものに預けられるが、こちらも裕福ではなく、ワケありの人々とのかかわりを深めることに・・・

というストーリーです。

それにしても何度失敗しても立ち上がる熊悟がすごいですね!

すでに60歳越えで、会社員なら定年しててもおかしくない年齢ですが、まだまだ現役バリバリです。

 

6.「慈雨の音 流転の海 第六部」のあらすじ

シリーズ第6巻となる「慈雨の音」では、息子の信仁もすでに中学生になります。

ときの流れの常として、松坂家の周りの人々に次々と離別が訪れます。

熊悟は身内の不幸にも負けず、中古車販売事業に手を出す・・・

というストーリーです。

熊悟が車社会の到来を見切っていたりという事業の才覚を発揮している点がすごいな、と思いました。

 

7.「満月の道 流転の海 第七部」のあらすじ

シリーズ第7巻となる「満月の道」では、東京オリンピックを間近に控えた1960年前半のストーリーになります。信仁は高校生になりました。

前巻で熊悟の立ち上げた中古自動車屋「中古車のハゴロモ」は順調に売り上げが伸びていたが、突如売り上げが下がり始め、その理由を探すと意外な人物が浮かび上がってきて・・・

というストーリーです。

 

8.「長流の畔 流転の海 第八部」のあらすじ

前巻で会社の金を横領された熊悟は、金策に奔走します。

一方心身の疲れからか、別れた愛人とよりを戻してしまう。

そして、それを妻の房江に見つかってしまい・・・

というストーリです。

クライマックスに向かって物語が加速する第8巻。

 

9.「野の花 流転の海 第九部」のあらすじ

シリーズ完結編となる「野の花」で、ついに息子の信仁は20歳を迎えます。

「この子が20歳になるまで絶対に至難」といっていた熊悟は、妻房江と息子の信仁と三人で成人を祝おうとするが・・・

というストーリーです。松坂家のクライマックスはいかに。

 

終わりに

ここまで宮本輝の「流転の海」シリーズの読む順番とあらすじをまとめてきましたがいかがだったでしょうか。

この波乱万丈なストーリーが実話ベースの自伝というのがすごいですね。

時代のうねりや熊悟の事業者としての生き様、そして作家・宮本輝自身についても知れるというシリーズなので、ぜひ読んでみてください。